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……え、どんな格好か気になるって?
至って普通の格好です。
普通の人の普通。
ここでの雨音の、異様。
「何って、ここに来たときの服なのだよ。ふはは、久しぶり」
「だから何でやっ!ペー●ーはどないしたん!?」
「やだなーむっちゃん、あの格好で帰るなんて恥ずかしすぎるでしょー?」
クルクルと髪を指で弄りながら唇を尖らせる、女子高生風の雨音。
睦月は思わず鼻を押さえた。
だがそれどころではない。
帰る発言に、手に持っているあのデカいキャリーバック。
まさしく来たときと同じ格好だ。
「もしかして…日本に帰るつもり、ですか?」
「うむ。じゃ」
「ちょーっと待って。じゃ、じゃあないでしょ?説明してくれるよねー?」
「おぉう黒い…ヤヨちゃんしまってー」
「何でいきなり帰るとかいいだすわけ?」
キャーといいながら皐月の後ろへ隠れる雨音に、ため息をつきながら聞く弥生。
みんなが耳を澄ました。
「スイス飽きた。動物飼ったし馬乗ったしブランコ作ったし色んなものいっぱい手に入れた。ほっほぅ、早く色々したい」
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