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「止めるでない…くっ、僕のことは忘れたまえ。今日までありがとう!」


『ヒヒーンッ』
『モーッ』



 え、何急に…なこの状態。
 スイスに来て約1ヶ月経ったころのことだ。


 いつもの時間に起きた雨音は、朝の挨拶をするでもなく別れを大げさに告げ始めた。

 ……それに応える動物たち、なんて素晴らしい愛だろう。



「ふむ、よしよし。こんな感じでいーかな」



 うんうん、と頷く雨音。
 最後に一回ずつ頭を撫で、雨音は部屋へ戻った。

 今日は睦月と寝ていたらしい。ベッドの下で寒そうに丸まっている。



──ガタガタ、ガタンッ!



「…ん……何やぁ…?」


「……お、むっちゃんハヨ。んじゃ、僕帰る」


「おーまたなー………ってちょい待ちぃ!どこにやっ」


「帰るといったら日本しかないじゃないか。バカだな睦月は」


「あーせやね、ってやからちゃううう!!何でや、ここはどないなってんねんっ」


「もー…睦月うるさいんだけど…って、雨音?」


「何だその格好…」



 バッチリ目の覚めた睦月のうるさいツッコミに、3人が眉をしかめて入ってくる。

 けれどやはり雨音を見て動きが止まった。




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あきゅろす。
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