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その音は、ログハウスの真横から聞こえてくる。
がっしりとした木が倒れないように組まれていて、その下で睦月が何かをしているようだ。
「むっちゃん大丈夫?」
「へ、平気や…雨音のためやったらこれくらい…!」
「おぉ、頼もしいですな」
涙目だけれど。
親指赤く腫れてるけれど。
キラッとした雨音の目に、睦月は痛いのを我慢して再び手を動かした。それを見て雨音も手を動かす。
2人が何をしているかって?
もうじき分かります。
「……おっし、こっちは出来たで雨音っ」
「ほっほぅ。じゃあくくりつけちゃいましょー」
「よっしゃ、外れんようキツーく縛っとくさかい」
(ついでに雨音も縛りたいわー…なんて)
鼻の下が伸びてる睦月は気持ち悪い。
今まで作っていたものを土台に紐でくくりつけ、取れないようしっかり補強する。
はい、手作りブランコの完成でーす!
「で、出来たー…っ!!」
「おっへ、むっちゃんすげー!僕もすげーっ」
「ホンマ、雨音凄いわ。完璧やんっ」
「ふはは、いやーそれほどでも。ね、さっそく乗ってみよっ」
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