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 まだ糊のついた新品の制服を身に包み、ワックスで髪をグシャグシャにする。


──ピンポーンッ



「………お、睦月じゃないか」


「おっは。学校行くでー」


「んむむ、ご飯が食べたい」


「もち食ってからや」



 カバンを持って食堂に向かう。服が制服なだけオタク度が減り、真面目君にも見える。


 朝から非難の声を浴び、
 酢豚の定食を食べ、
 昨日案内してもらった学校へ行く。

 ただ忘れてはいけないのが、入学式は全生徒が集まるということだ。



『なにあのオタクッ!』
『新年様と別離様が汚れるぅ』
『キッモーイ』
『オタク死ねっ!』



 こんな声が食堂の10倍。さすがの雨音もうるさそうに耳を塞いだ。



「鼓膜が破けてしまう」


「ごめんね、僕たちのせいでこんな…」


「出来るだけ守るさかい」


「みんな女の子みたいですな。嫉妬は怖い」



 わざと腕を抱えてブルッと震え、クラスの場所に並ぶ。入学式と始業式が一緒なため縦一列だ。


 雨音を間に挟むようにして並んだ。





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