16 だが2人とも、本当に何も出来ないらしく立ち往生していた。 とりあえず包丁を手にとってみる。 「……人殺しに行きはるんですかー?」 「チッ、仕方ねぇ……閏に電話だ」 「それが一番やな…」 やはり2人では何も出来なかったらしく、皐月が閏に電話をして無事スパゲティを作ることが出来ましたとさ。 「うむむ……麺が伸びきってる。むっちゃんさっちゃんヘタクソ」 「「……!」」 * * * * * そしてスイスに来て10日が経ちました。相変わらず5時起きの雨音に、誰もが感心……ではなく呆れかえってます。 「おーはよー諸君!ふはっ、今日もかわゆす」 『メェ〜メェ〜』 『ワンワンッ』 「うんうん、元気ですなぁ。はーい、外へ出て下さーい」 自らすり寄ってくる動物たちを撫で、小屋の中を掃除する。 たった10日、されど10日。 雨音は糞を見るだけでその子の健康状態が分かるようになっていた。テッテレ〜♪ 「いつも美味しいミルクをありがとー」 『モォーッ』 「うわわ、舐めるでない。……へへ、幸せですなぁ…」 ベロベロ舐められているにも関わらず、幸せそうな雨音。顔中ベタベタ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |