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「お前…いつ起きたんだ?」


「ずっと前なのだよ。さぁ早くしたまえ」


「これ、雨音君が?」


「イエス。心して食べたまえ」


「……シンプルすぎるでしょ…」


「夢でした。こんな生活するのが…!」



 そのためにスイスに来たのだから。
 雨音はみんなが座るのも待たず、パンを一口かじった。

 とろーりチーズがいい感じ。



「ふはは、うまス。僕天才」


「もう仕事してたんですか?」


「そうなのだようーちゃん。この後はブラシをかけてエサあげるらしいですよ」



 ……ということでさっそく。
 ただ、弥生は本当にやらないらしく、観光に出て行ってしまった。

 困り果てた閏を連れて。



 なので3人で面倒をみます。



「くせぇ……」


「むっちゃんは羊、さっちゃんはヤギよろしく」


「とかせばええん?」


「ええん。優しーく優しーく……抜けた毛はお持ち帰りするから捨てないよーに」



 むふふ、と含み笑いをする雨音に2人は少しだけ顔を青くした。

 あの笑いはよくない笑い。



 ゴシゴシとブラシをかける。
 雨音にちょっかい出すと動物が蹴りを入れる。

 1日で気に入られた雨音。



「あっはっは、天才の子は天才」


「自分でいうか、それ……」


「もうイヤや、雨音とラブラブしにきたんにーっ!」


「いーチチ出すんだぞっと」




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