12
額の汗を手で拭う。
それなりの広さはあったものの、さすが雨音、1人で終わらせてしまった。
現時刻、6:30。
「朝食inスイス。うは、もー楽しすぎ」
ここがスイスだということも、作る朝食が夢みていたものだということも。
全てが楽しくて興味があって、とうぶん雨音のテンションは下がりそうにない。
家からわざわざ持ってきたフリフリのエプロンをして、朝食を作り始めた。
「パン…チーズ…牛乳……ほっほう、卵にハム!」
と、いうことで雨音の料理教室ー。
まずはフライパンに油をしき、卵を焼きます。
その間にパンにチーズをのせ、焼きましょう。
卵をひっくり返すときはハムも焼いちゃいましょう。
「はい、完成です。みんなを起こしましょうそうしましょう」
時刻は7時、雨音は外から鶏を連れてきた。1羽だけオスだったのだ。
そう、オス。
『コケコッコー!』
「コケコッコー」
「な、な、なんやっ!?………え、雨音?」
「ご飯出来てる。僕腹ぺこ。みんな早く」
ちょいちょいっと手で呼んで。
そして着替えを済ましたみんなが見たのは、しっかりと用意された朝食と、机を叩いて待つ雨音だ。
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