9 つまり、世話の仕方を説明していった、と。そう、待望の動物がやっときたらしい。 家の裏に即席で作られた小屋と柵があり、雨音は嬉々として中に入っていった。 『メェ〜』 『モォー』 『ワンワンッ』 「おぉお…いっぱい!僕水無月雨音、1ヶ月4649ッ」 ヤギ3、羊3、牛2、鶏4、犬1。 順に頭を撫でて挨拶をしていく。 あの話ほどとはいかないが、雨音はこれだけでも十分満足らしい。 「チミたちの主人は僕だ。ゆーこと聞くように……おすわりっ!」 『ワンッ!』 「わ……ふせっ」 『ワンッ』 「チンチン!」 『わふんっ』 「素晴らしい…!」 完璧に躾られているその犬に、雨音は感動した。 ひしっと抱き締め、グリグリと顔を押し付ける。 「うむ……獣臭…」 『メェー』 『メーッ』 「おぉう、服は食べないでくれたまえ。かわゆいかわゆい」 (あ、あ、雨音のがかわゆいわーっ!!) 陰からひっそりと見ていた睦月、鼻血を出してその場に倒れた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |