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「カゴはなんだ」
「何かいるかもしれませんしな。むふふ、珍しいカエルいるといいなぁ」
「お、俺ちーと疲れてもうたわ…先、戻るさかい、気ィつけてや」
「えっ…むっちゃん行っちゃうの?そっか…行っちゃうんだぁ」
「ゔ……っ」
眉はハの字に垂れ下がり、寂しそうな声を出す。それにやられた睦月だか、彼は知らない。
これが雨音の計算された行動だということを。
内心笑っている雨音は、再び探検を始めた…。
* * * * *
「ふぃーただいま帰りやしたぁ」
「遅い、遅すぎる」
「おぉう…すまん弥生。つい楽しくて。ほら、カエルいっぱい僕ハッピー」
「そんなもの取りに来たわけ?」
「………違いますごめんなさい」
ペコリンと頭をさげて。
それを見て弥生は諦めたように溜め息をつき、白い紙を雨音に渡した。
それを手にとり、中をみた雨音の目がこれでもか、というくらい輝く。
「僕っ、見てくる!」
「え、雨音!?……どないしたん?」
「別に。待ってたものが来ただけ」
「30分ほどは待っていたのですがなかなか帰って来ないので、説明だけして帰って行きましたよ」
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