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─冬樹side─


あの人は、
俺のことを知りたいと言った。
俺に知って欲しいといった。



なんでだろう。


好き?
何で?

嬉しい?
俺はもうじきいなくなるのに…。



「冬樹…あまりここを出て行かないでちょうだい?」

「………………」

「最近熱を出すことが多いわ」



それは多分、免疫力が落ちてるからじゃない。


それは多分、いつもあの人のことを考えているから。


そして……俺は、








あの人が来るのをいつも待っているから。





でもあの人のことを知りたい訳じゃない。


ただ横にいてくれれば、
なぜかそれで幸せだったから。



俺が質問するのは、
あなたが知って欲しいといったから。




………声が聞きたいから。



「お母さん…」


「ん?なぁに?」


「マフラーが、欲しい」


「!?わ、分かった。明日必ず持ってくるわ!」




外はまだまだ寒い。
暖かい格好をしなきゃ、いけない。





無関心で…










……………いられない。





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