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──ガチャッ



「………ただいま」




返事はない。


俺は、理事長に頼んで特別な部屋を与えてもらった。



寮官室。
1階の、保健室の横にある部屋。

保険医兼、
主治医兼、
寮官の彼と一緒に住んでいる。



気を失って、
気づかれなくては困るから、と。



実際そうなのだが、
別に絶対人がいなきゃいけない訳じゃない。

知らない内に意識は戻るし。





………でも、
他の奴と一緒というのが嫌だったんだ。


俺を気にしない奴ならいい。
だけど市原のような奴だったら?





考えたくも、ない。








彼が帰ってくるまで、
俺は暇になる。

課題なんて、
他の授業中にやってしまってるから。

30分もあれば終わるから。





料理は、出来ない。
誰も教えてくれなかったし、
やらせてくれなかった。


別にそれでいいと思う。






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あきゅろす。
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