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「たっくんはさ、他のクラスとか見て回ったりした?」
「あーうんいった…無理やり連れてかれた…」
「ああ…子猫チャンたち?」
「その言い方恥ずかしいんだってばぁぁっ」
「いいじゃん似合ってるよ。…その、外見には」
遊んでそうな外見なのにそうじゃないのだから、おかしなものだ。顔を赤くしてソファーの上で悶絶する拓に笑いつつ、無理やりとはいえ拓と一緒に回った生徒を羨ましいなと蒼は思う。
もっと気持ちを素直に表に出せれば、蒼も豊を積極的に誘えているのだろうか。
「…はぁ」
「?、どうしたの蒼」
「んーん、世の中うまくいかないなーって、はぁぁ」
(えええお、オレ何かしちゃったかな…!?)
(明日、やっぱクラスいってみようかなー…)
ため息をつく蒼に拓が動揺してるとは知らず、蒼は豊のことばかり考えるのであった。
◆
「おー!久しぶりだなっ、元気だったか!?」
『え、…え、俺っ!?』
「なんだよとぼけんなって!最後に会ったの…1年前か?あんときはあれ、凄かったよなぁ」
『…そ、そうだったな!うん、あれ、あれは凄かった』
「あとで俺のクラスにもこいよ、みんな喜ぶぜっ」
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