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「じゃあ明日はこい。んで俺を指名しろ、ずっとついててやる」
「へぁっ!?/// し、指名って、何いって」
「ク、何焦ってんだアオ、接客とかめんどくせぇだけだろ」
「あ、そ、そうだよな、うん」
(でも、ずっといてくれるとか…指名、してみようかな)
自分のためにそういったのだろうが、蒼にとってそれはご褒美以外の何でもない。
想像して顔が赤くなり、蒼は慌てて話題を変えることにした。
「お、おれたちのクラスは展示だから当番なくて楽なんだよね」
「あ゙ー…、…」
「…花火についてだよ。創立祭で毎年あがる花火について」
「ああ、そうだったか」
「ま、覚えてなくていいけどさ。おれもちゃんと見てないからよく覚えてないし」
へら、といくらか緊張が解けてきたのか笑顔を見せた蒼に、豊はあとで見に行くといって口角をあげた。
その笑顔のせいでせっかく引いた赤みが戻ってきてしまう。蒼は焦り視線をそらし、幸作を確認して「あっ」と声をあげた。
「人きた」
「…いくか」
「ちょ、ま、またきんちょ、…っき、吸入器…っ」
「おい焦んな、…そこに入ってんだろ?安心しろ、俺がいんだろうが」
(っ…余計危なくなってるから…!)
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