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最後に入ってきた金髪の生徒に蒼は目を見開き、相手もそれに気づいて声をあげた。幸作が「知り合いか?」と聞いてくるので頷き応えようとした蒼だが、言葉を遮られていた豊が舌打ちしたため、2人とも静かに席につく。
「…揃ったな。俺が部長の大沢豊だ。俺のいうことは絶対だ、覚えとけ」
1年ではあるが、この部活は豊が新設したものになるため、彼が部長を務めることになる。2年もいるが敬語など俺様な彼は知らないのだろう。ふんぞり返ったままニヤリと笑い、高らかに宣言してきた。
「とりあえずの副部長はそのメガネだ」
「橋爪経理、2年だ。ふん、たった6人か…まぁいい、僕に迷惑さえかからなければな!」
「こいつには会計も任せてある。つっても部費はもらえるか微妙だがな。しかし相変わらずうぜぇ」
「うぜぇ?"うぜぇ" とはなんだ日本語で喋れ」
メガネに黒髪おかっぱの、かっこいい?いや平凡かな、といった微妙な容姿で、名前の通り計算が好きな性格にもちょーっとだけ難のある生徒。
だがそれは見てくれだけ。
今の微妙にズレた一言といい。本当の性格を知ったならば、なんて面白いやつだときっとその内思うことだろう。
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