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山ノ内学園。
エスカレーター式の学園で、男子校。故に同性愛者が多く、また、家柄や容姿により差別があったりとなかなかドロドロした閉鎖的な空間だ。離れ小島に学園があるため、本土へいくには許可が必要となり、外へ出るのも一苦労。

そのため敷地の中にはショッピングモールがある。寮は主席・次席・3年は1人部屋。残りの1・2年は2人部屋となっていて、それは蒼も例外ではない。


(まだ帰ってきてないか…)


玄関に靴はない。
同室者は見た目も中身もチャラく、こちらに入寮してからもいないことが多々あった。特に珍しいわけでもないため、蒼はその同室者が帰ってくるまでは、のんびりと1人部屋のように過ごすのであった。







朝、生徒は好きな通学方法で校舎までいくことが出来る。歩き、走り、自転車、そして車。もちろん蒼は車だ。朝から発作を起こすわけにもいかず、乗り合いの知らない人たちの中で校舎を目指す。

教室に入って適当に挨拶を交わし、着席して一息ついたところで、蒼は後ろから声をかけられた。



「…っれ、もしかして昨日のやつじゃねっ!?」

「え?…あ」

「奇遇だなーつか、同じクラスとか!これも何かの縁だし、仲良くしてくれよっ」

「もちろん。えーっと、」

「幸作でいいぜ!俺は蒼って呼ばせてもらうな」


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