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「決めた。お前、俺の部活に入れ」

「…へ?俺の?いや部活って…」

「部活は部活だ。拒否権はねぇ」

「まっ、おれ、こんなだから運動とか出来なくて…っ」

「安心しろ、運動部じゃねぇ」



問題ないよな?と有無をいわさない威圧感と自分勝手さに、先ほどとは別の意味で目に涙を浮かべつつ、蒼はコクコクと頷いてしまった。無理やり感がハンパない…けれど、まぁ、運動部じゃないならいいか、と思っている節もある。

頷いた蒼に青年は満足げに口角を緩め、もう1人も嬉しそうに笑顔を見せてきた。こちらの青年の笑顔は、とても好感が持てる爽やかなものだ。



「俺、脇本幸作。同じ1年同士仲良くしようぜっ」

「大沢豊だ」

「おれは青野蒼です。えーっと、よろしくお願いします?」

「敬語はいらねぇ。それから…これに名前書け。明日の放課後、2階奥の空き教室で顔合わせだ。ぜってぇこいよ、アオ」



クツリ、と笑う豊は本当にかっこよくて。そういえば同じ学年に中等部のとき生徒会長の座を蹴った生徒がいたな、となんとなく思い出しつつ、入部届けにサインをするのであった。

こうして、まさかの同じ1年からの勧誘により入部することになった蒼は、これから忙しくなるのかもしれないと他人事のように考えながら寮へ帰っていくのであった…。



(…あ、なんの部活か聞いてないじゃん。喘息持ちでも出来るようならいいけど…)


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