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唖然と見つめる拓に、呆然と立ちすくむ経理。早速作戦は失敗に終わり、こういう場合はどうするんだっけ、と拓は考える。

だから、その後ろにきていた人物に気づかなくて。



――シュル、

「…え、あっ!?」

『とーった。わりーな瀬丘』

「げぇえ!しまっ、あーもう、ケーリ先輩のせいッスからね!」



クラスメートにとられてしまったリボンに拓は頭を垂らし、もう1本はなんとしても死守しようと経理を残し、その場を離れた。


(とりあえず、豊に連絡入れとくかな…あーすげー怖いぃ)


経理のことと、1本とられてしまったこと。気合いの入っていた豊に報告するのは怖いが、いわないでいる方がもっと怒られそうだと考えた拓は、豊に連絡を入れることにした。

しゃがみ込むその背中は、なんだかいつもよりとても小さく見えた…。







『うわぁぁ!?…む、向島…っ』

「リボンもらいますよ」



ニコ、と笑顔で3年のソレを奪い取る朋也。その生徒は顔を青くし、心臓を押さえながら階段をおりていった。

朋也はまた耳を澄まし、聞こえてきた足音にそちらを盗み見る。


(…1年ですか)


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