30
「く、そ…こんな、こんなはずじゃない。あそこにいれば完璧なはずだ。見つかっても逃げ切れるはずなんだ、なぜだ…!?」
(足遅いの忘れてんじゃ…?)
「リボンがもう1つしかない…このままでは危険だ。瀬丘、瀬丘!いるんだろう、助けてくれ…っ」
(よ、呼ばないでよぉぉ!)
道のど真ん中で拓を呼ぶ経理。呼ばれた方は涙目になり、いくべきかどうしようかとアワアワしだした。そうこうしているうちに経理の声を聞きつけた生徒がやってきて、狙いを定める。
経理は慌てて立ち上がり逃げようとして…拓を見つけた。
「そんなところにいたのか瀬丘…!早く助けにこいっ」
「な、なんでッスか!こっちこないで下さいよぉっ」
「ぼ、くは先輩、だぞっ!」
「持ち場離れた先輩が悪いでしょうがっ!ひっ、こっちこないで下さいってばぁぁ!」
「情けないぞ瀬丘…!」
あなたもですが。
とはいえず、拓はモールの方へ向かって逃げ、経理もそれを追いかけるように逃げた。
だが足の遅い経理が逃げ切れるはずもなく…。
『つ、かまえた…!』
「な…っ!そんなばかな!はぁっ、僕は2年だ、そっちは…」
『同じ2年ー。じゃ、リボンもらってくな』
「はぁっ、はぁっ、…ま、じで?え、ケーリ先輩早くネェ?」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!