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震える手で指差したものを見つけ、青年はそれを取りにいってくれた。そして戻ってきて手渡してくれ、ようやく蒼は呼吸を整えることが出来、背中をさすってくれていた青年に涙目になりながらもお礼を述べた。
「はぁぁ…ビビらせんな」
「あはは…すいませんでした。も、大丈夫です」
「ならい、」
「あーっ、豊見つけた!もー何してんだよ、…って、誰?」
「わっ!あ、あの」
ひょい、と顔をのぞき込んできた2人目の青年に、ドキリと心臓を跳ねさせつつなんとか落ち着かせて立ち上がり、2人を見る。
どちらもかっこよく、蒼よりも背が高い。ほんのり悔しさを滲ませながら見ていれば、2人目の青年がジッと見つめてきて、そして顔を青くして1人目の青年を振り返った。
「泣かした…!?」
「あ゙?だったらなん、」
「えっ、ち、違います!あの、これはおれが勝手に…!」
「え、あ、そうなん?なーんだ、つまんね」
「うぜぇ、…つーか…」
つまんない、とほざいた青年の足を軽く蹴りつつ、こちらの青年もまた、蒼のことをジッと見つめてくる。イケメンに見つめられ、わけが分からずに頭にハテナを浮かべる蒼。
その目は先ほどまでの息苦しさに濡れていて、…なかなか、そそる顔をしていて。
青年は、ニヤリと笑った。
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