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走れないのだから、負けは見えている。どうしようと頭を垂らす蒼のもとに、幸作がやってきた。ポン、と肩を叩かれる。



「親睦会までは時間あんだからなんか作戦練ろうぜ」

「幸作ー…」

「ゔ…な、泣くなよっ」

「だって…足引っ張んの目に見えてるし…」



個人戦ならよかったのに、と蒼は涙で目を潤ませた。幸作はちょっぴり頬を赤くしつつも蒼の頭を撫で、大丈夫、と自信たっぷりに励ますのであった。

そして放課後、もちろん今日の議題は親睦会についてだ。



「なぜ部活ごとにしようと思ったのかは不明ですが、これはもう明らかに不利ですね」

「ゔ…ごめんなさい…」

「いえ、蒼くんも確かに役にたちませんが、それ以前の問題でしょう。人数とか、もろもろと」

「まぁ、運動部に文化部が勝てるかっつったらまず無理だな」



まず運動部と、そうじゃない部のハンデは服装だけだ。運動部は制服にローファー、他は自由。陸上部に至ってはサンダルが指定されている。

次に人数。
一番多いのは部活に入っていない、いわゆる帰宅部であり、一番少ないのが恐らくこの総合部。同好会はそもそもが部活じゃないため、全部一括りにされるそうだ。そうなると人数はかなりのものとなり、6人の蒼たちが一番少ない部となる。


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あきゅろす。
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