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よーし今からいくか!といい笑顔で指を鳴らす幸作に、蒼は一瞬ポカンとし、そして声をあげて笑った。気を使わせてしまっている、けど、それについては蒼が触れていいことではない。
ならば蒼は、とことん幸作に "友人" として付き合うしかないだろう。その後本当に豊を殴りつけた幸作に、豊は文句もいわず受け止め、無事全てが解決するのであった。
◆
「おやおや、結局元サヤに戻る感じですか。幸作くんが哀れですねぇ」
「うぜぇ。おい朋也、二度と蒼に手ぇ出すんじゃねぇぞ。蒼は俺のだ」
「分かってますよ。いったじゃないですか、人のモノに手を出す趣味はない、と」
「…チッ」
「ようやく全員揃ったか…てっきり廃部にするものだと思っていたぞ!」
ふん、と毎日出席していた経理は偉そうな態度をとり、拓はビクビクしながらごめんなさいと謝る。
花梨は豊にフられしばらく落ち込んでいたが他に友人も出来、今では部活は退部し、楽しそうに笑顔を見せているようだ。
「謝りませんよ。僕は僕のしたいことをしたまでですから」
「ああ゙?」
「はは…もういいよ、豊。豊が隣にいてくれるだけで、何も怖くなくなるから」
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