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――ヴヴヴ、ヴヴヴ

「…ん、メール…、…え」

「んぉ?どうした蒼」

「あっ、や、…何でもないよ」

「…そう、か?」

「そうそう。でも筋肉いーなぁ、おれつけらんないからさぁ」



メールを見て動きを止めた蒼を不審に思うも、すぐに取り繕われ話を戻される。

嫌な予感がする。
けれど幸作は踏み込むことが出来ず、蒼の話に合わせていくのであった。


【今度2人きりで会いてぇ。時間作ってくれ】







運動が出来ない蒼は、基本体育の時間は見学か心配などの手伝いをしている。
月一で蒼だけ体育準備室で補習を受けることもあるが、放課後呼び出されることはまずない。

それを分かっていて、蒼は補習があるからと幸作に嘘をついた。その嘘に幸作も気づいたことだろう。
しかし笑顔で送り出してくれ、蒼は胸を痛めながら約束の場所までやってきた。



「ごめん、待った?」

「別に。呼び出したのはこっちだろ」

「まぁそうだけど。…どうしたの?みんなの前じゃ、ダメだったの…?」

「うぜぇだろ。話してる最中に色々いわれたら」



人気のない校舎裏。
2人きりというシチュエーションにドキドキしながらも平静を装い、応えていく。


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あきゅろす。
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