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本当に好きでいてくれるのなら、待たせてしまうのも悪いかと思うのだが…。



「…豊くん、す、好きだよ…っ?」

「ああ」

「豊くん、は?」

「一々聞くな」

「っ…ご、ごめんね。付き合ってるのにね、僕たち」



返事は、ない。
ツラそうな顔で俯く花梨に、果たして豊は気づくのだろうか。

気持ちが揺れる。
それは、蒼だけの話ではないのかもしれない。







「何がしてぇんだろうな、豊のやつ」

「んー…さあ?」

「まー俺としては助かったっつーか…」



今日は幸作と2人きりでお昼を食べている。あの日、豊の前で幸作にキスをした日以来、豊はまた姿を現さなくなった。

離れたり、また寄ってきたり、そして離れたり。本当に何がしたいのだろうか。



「まぁほら、豊には柚木くんがいるわけだし」

「、そうだな!今更蒼んとこきたって遅いっつーの!」

「おわっ!?もー幸作重いー」

「失礼なっ、全部筋肉の重さだし!」

「えっ、マジで?」



そんなに筋肉凄かったっけ?と蒼が腕やら腹筋を触れば、バレたか、なんていいながらもニマニマと顔を緩めていて。

豊がいたときは蒼が取られるんじゃないかと気が気じゃなかった。けれどその元凶もいなくなり、幸作としては万々歳だったのだろう。

しかし。


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