14
蒼のことを思ってあの場から連れ出してくれただろう幸作に感謝し、2人は購買を目指すのであった。
ついたころにはすっかり豊とのことも忘れていた…のに。
どんな心境の変化があったのか、翌日から豊は蒼のそばへくるようになった。
もちろん花梨も一緒にいるが、どちらかというと蒼を構い、そのことに蒼も嬉しそうにしている。
男の友達同士、といえばそうも見えるが、2人は付き合っていたのだ。どうしても幸作は焦ってしまうし、拓もそばで見ていてハラハラしてしまう。
「ね、ねぇ豊くん。2人の邪魔しちゃ悪いから…僕たちも違うとこ、いこっ?」
「あ?拓もいんだから構わねぇだろ、なぁアオ」
「え、」
「構うっつーの!柚木連れてどっかいっていちゃこいてこいよ。なぁ蒼!」
「あの、」
(うわぁぁな、なんか怖いよぉぉ…っ)
拓が涙目になる。
蒼もそれを見て泣きたいのはこっちだ、という顔をするが、一番無関係である拓と、少し不安げに豊を見ている花梨を前に愚痴を零すわけにはいかないな、となんとか踏みとどまる。
「け、喧嘩しないで…ほら、幸作は楽しそうに笑ってた方がおれ、好きだし」
「…好き?」
「その、うん、…好き」
「っあーもー蒼かんわいーぜ!なっ、ほんとに好きならさ、…蒼からキスしてほしいなー、なんて」
「…へぁっ!?///」
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