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「誰のせいで蒼がんな目にあったと思ってんだよ!今更何なんだよマジで、さっさと柚木んとこいけよっ」

「こ、幸作?」

「っせぇな…俺が誰といようと勝手だろ」

「勝手すぎるっつってんだよ。蒼、他のとこいこうぜ」

「う、うん」



腕を掴まれ、引っ張られる。
どこか焦りがにじみ出ている幸作の行動に、蒼は何もいわず、けれど名残惜しそうにその席を立った。

何となく振り返れば、豊とバッチリ目があって。



「…守りきれなくて悪かったな。あいつと会いたくねぇなら部活、こなくても辞めてもいいから」

「ゆ「会いたくねーのはお前も一緒だっつーの!…幸作…」

(…おれ、やっぱやなやつ、だ)



幸作が焦るのは、きっと蒼の気持ちが揺れたことに気づいたからだろう。

蒼自身そのことに気づき、酷く自己嫌悪した。豊と付き合ってるときは花梨の存在が酷く邪魔で、別れたあとは幸作を利用し、せっかく気持ちが膨らんできたのに豊の言葉に簡単に気持ちを揺らいで。

なんと軽い、現金な人間なのか。



「…蒼、大丈夫か?なんかその、わりーな急に」

「え…んーん、助かった、かも?ほらそんなことよりご飯食べなきゃお昼休み終わっちゃうじゃん」

「ヤベッ、それは死活問題だぜっ。購買でいいか?」

「いーよー。何残ってるかなぁ」


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