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「んーうま。奢ってもらっちゃったし、空気もいいし、最高だね」

「まーちょっと海風ベタベタすっけどな」

「あ、次はおれが奢るから。これ約束な」

「俺としては蒼の笑顔が見れただけで十分なんだけどなぁ…」

「またサラリとそういうこと…、…ん?」

「ついてんぜ」



ぐ、と親指で口元を拭われ、うわ恥ずかしいと思っていたら。幸作は極自然にそれを舐めとり、蒼は思わず顔を赤くした。

強引さが少しある豊とは違う、幸作の優しさ。さり気ないフォローを入れてくれたり、押し付けにならない程度に好意を伝えてきてくれたり。決して "女"扱いをするわけでもなく。

なんというか、一緒にいてとても落ち着いて、それでいて対等な立場の恋人のようで、なんだか少しくすぐったい。


(豊とは、違う)


こうして、どうしても2人と比べてしまうときがある。こういうとき豊だったらこうしていた、こんな気持ちになっていた。
それは幸作に対しとても失礼なことだとは思っていたが、なかなか止めることが出来なくて。

けれど最近は、少し違う。
比べてしまうけれど、幸作にとってマイナスな気持ちではなくプラス方面に考えるようになってきた。

違うから、いい。
そう思うようになったのは、きっと、蒼がそれだけ幸作に惹かれてきている証拠なのだろう。


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あきゅろす。
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