5 けれど、いつまでもサボっていられない。蒼と会ってどんな顔をすればいいのか、なんて心の中で思っているうちに、部室についてしまった。 「こ、こんにちはー…」 「…おや、サボり魔のご出勤ですか。注意をしたかいがありましたねぇ、経理」 「ふん、当然だ!この僕に手間をとらせたんだからな」 「サボっちゃってごめんなさい…あの、他のみんな、は?」 「蒼くんたちもずっとサボってて、まだきてないですねぇ。あれ?知りませんでした?」 お・お・さ・わ、とわざとらしく豊に声をかける朋也はニンマリと笑っていて。 けれど事実今そのことを知った豊は何も言い返せず、舌打ちをするだけだった。豊ならまだしも、あの蒼がサボっている? (…んなに会いたくねぇか) そりゃそうだ、浮気をした上、あちらから別れを切り出すような形にしてしまったのだから。 オマケに新恋人である花梨も同じ部活。目の前でいちゃつかれるかもしれないのに、部活なんて出ていられないだろう。 「…ああ、大沢に会いたくないとかそういうことじゃないと思いますよ」 「あ゙?」 「知らないんですか?蒼くん、あなたと別れてから幸作くんと付き合い始めましたからねぇ」 「えっ、そうなんですかっ?」 「ええ、しばらくは独り身だったようですが。ふふ、安心しましたか?花梨くん」 [*前へ][次へ#] [戻る] |