3
放課後、3人で教室に残りだべっていたところへ、拓が気まずいけれど素朴な疑問を口にする。
それに対し2人はなんてことないように答え、豊は2人の関係を知らないかもしれないという答えが導き出された。
それもそうだ。
あの日からまともに会話もしていないし、こちらからいうつもりもない。拓か、噂で聞くかしないと拓は知ることはないだろう。それでいいのかな…なんて平然としている2人を見て思っている、と。
「…ここにいたのか」
「うお、ケーリ先輩!?」
「全く…一年全員で部活をサボるとはいい度胸だな!」
「ご、ごめんなさい橋爪先輩…」
まさかの、経理から部活へ出ろと催促が。確かにここ最近、部活には顔を出していなかった。
豊と会うことが気まずいとも思っていたし、何よりそこには朋也がいる。怖くていけない蒼がサボれば、そこに幸作がつくのも当たり前で、味方のいない空間に拓が行きたがらないのも当然のこと。
申し訳ない、とは思うものの、やはり蒼にはまだ顔を出す勇気がなくて。
「…ん?え、一年全員ですか?」
「そうだ。…ん?大沢たちは一緒じゃないのか?」
「あの2人もサボってんスか。…ふーん」
「部長自らサボるなどどうかしている!とにかく、部活をやる気がないなら辞めるがいい。僕が部長として引っ張っていくからな」
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