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「橋爪経理だ。はは、青野、バカだなやっぱり女じゃないか」
「ふふ、おバカさんはどちらなんでしょうねぇ。ここは男子校だというのに」
「事情があるんだろう。それで?なぜ部外者がここにいるんだ?」
花梨は女の子、という勘違いを全く疑うことのない経理は、花梨がここにいることに不思議そうに首を傾げた。
何も部活に部員以外がきてはいけない、なんて規則はない。
ただ部長である豊がそれを嫌っていたから、ここにいることが不思議に思えたのだろう。
もちろんそれは他のみんなも同じで、豊に一斉に視線が集まり、豊は花梨を一瞥してから口を開いた。
「部活に入れることにした」
「「…は?」」
「今日から花梨も部員だ。俺が決めた」
「面白いことをいいますね。一週間もサボっていたくせに」
「あ、ご、ごめんなさいっ!豊くんは僕のために部活に出れなくて…っ、それで、その」
申し訳ないからと断ったら、そうだ、と思いついたように部活に入れといわれたらしい。
今年は入れるつもりはなかったのではないか。いや、豊が決めたのだからもう誰も文句のいいようがないのだが…。相手が、相手だ。
「つーかさ、いくらなんでも過保護すぎねぇ?なぁ蒼」
「えっ!?あー…まぁそろそろ慣れてきただろうし…柚木くん次第じゃない?」
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