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「おや、蒼くんは柚木花梨を狙わないんですか?今こそ鬱憤を晴らすときでしょうに」

「え、ええっ、そしたらおれ、なんか悪者っぽく見えません…?」

「勝負ですから、怪我さえさせなきゃ何してもいいんですよ」



クスリ、と目を細めて笑う朋也に少し蒼の心が揺らぐ。

まぁ敵チームだし、見かけたら狙ってみてもいいのかな、ぐらいの気持ちで朋也の話を聞き流し、…そして、スタートの時間がやってきた。



「では、健闘を祈ります」

「じゃーあとでな、蒼っ」

「うん、頑張って」



恐らく朋也と幸作は稼ぎ頭となることだろう。蒼は嬉々として動き出す2人を見送り、さてどうしようかとあたりを見回した。

去年のようにトイレに隠れるか、今年は攻めていってみるか。どちらにしろ一度身を隠さないとすぐ見つかってしまう。そう考え、蒼は物陰に身を隠した。

直後、ヒットの声が聞こえ、服を黄色で汚したチームメイトが悔しそうに手をあげ、歩いていくのが見えた。


(見つかったときは逃げんの諦めよう…)


第一、走れないし、と。
蒼はコソコソと物陰に隠れながら移動を始め、校舎から離れ森の中に隠れることにした。

しかしそこも意外と人の通りは多く、隠れているすぐ側で撃ち合いが始まったりとハラハラドキドキしっぱなしだ。


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