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「あっ、豊!今度の休みなんだけどさ」

「ああ、…あ?ちょっと待てアオ。おい "花梨"、1人でどこいくつもりだ」

「えっ、と、トイレだけど…トイレも1人でいっちゃだめ?」

「しばらくはダメだ。俺もついてく。…わりぃアオ、また後ででもいいか?」

「あー…うん、もういいや、大したことじゃないし」

「え、えええあ蒼いいの…?」

「何が?あ、教室戻んなきゃ。じゃーまたあとでね、たっくん」

(蒼…)



拓は蒼の背を見つめ、何ともいえない顔をした。あの日から、豊は変わった。呼び方がより親しげになり、常に花梨のそばにいるようにして。

今だってそうだ。
トイレにいくだけの花梨についていき、周りの危険から守り、牽制までしている。

ご飯はみんなで食べることが当たり前になった。危機感なくうろちょろする花梨を放っておけないのか、放課後はそちらに構い部活にもこなくなった。

部屋に呼ばれることはあるが、どこか上の空だったり花梨の話ししかしなかったり。とにかく、変わった。恐らく…気持ちの、ベクトルの向きが。



「はぁぁ…幸作ー」

「お?どうした蒼、豊いなかったのか?」

「いや、いた…けど。あのさ、今度の休み暇?いきたいとこあんだけど、一緒にいかない?」


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あきゅろす。
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