[携帯モード] [URL送信]
10
「さ、さすが豊、やっぱ優しいね。分かった、ちゃんと案内してあげなよー?」

「クッ、いわれなくても」

((蒼…))



笑っている、けれど笑いきれていない。その痛々しい姿に拓と幸作は心配そうな顔をするが、そう、まだ初日。

豊が優しいことは蒼自身一番よく知っているし、この程度で嫉妬したり不安になっていては精神が保たない。恋人は自分。そうしっかり確認をし、蒼は押し寄せる不安から逃げるのであった。







「…そろそろ帰るか」

「ふん、今日も無駄に時間を過ごしてしまったな」

「ならなぜ部活を続けてるんです?1人辞めても5人いれば部活は成り立ちますから、辞めてもいいんですよ?」

「僕がいなくなったら誰が部費の管理をするんだ?困るだろう、僕がいないと」

「そうでもないけどそうですね」



あ、めんどくさくなったんだな、と経理と朋也の会話を聞いていた蒼たちは密かに思い、先に帰っていく先輩2人に挨拶をした。

なんでも部、といっても普段は何もしていなく、ただだべったり課題をして過ごすだけだ。
今日もそう。何だかんだで2時間ほどのんびり過ごし、豊が声をかける。



「お、オオオレ、トイレ寄ってくから先いってて…っ」

「あ、俺も。じゃーまたあとで、会えばだけど!」

「おーばいばーい」

「いくぞ、アオ」


[*前へ][次へ#]

10/40ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!