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ガン!と机を蹴り、低い声で睨みをきかせれば、集まっていた生徒は顔を青くしてそそくさと花梨の周りから去っていった。
ようやく静かになったことに少しイラつきが収まった豊は、キラキラとこちらを見ている視線に気づき、眉を寄せながらなんだ、と返す。
「あ、ありがとぉ!えへへ…ちょっと困ってたから、助かっちゃった」
「は?別にテメェのためじゃねぇよ」
「き、気にしなくていいと思うよぉ」
「そ、そぉ?んと、でも、迷惑かけちゃってごめんね?それから、ありがとっ、かっこよかったよ!」
にぱっと笑みを見せる花梨に、悪い気はしない。自己紹介を始める拓をよそに豊は、ほんの少しだけ口角をあげ、機嫌よさそうにしていた。
その日は教科書がまだないという花梨に豊が仕方なく一緒に使い、食堂も案内をした。
拓がかって出たが豊は気にも止めなかったため、お昼はその3人と、蒼と幸作も合わせた5人でとることに。
――コソッ、
「お、おい…なんで1人増えてんだよ」
「お、おおオレ案内するっていったんだけど…」
「ちゃっかり豊の横座ってっしさぁ…」
「い、いつも蒼と一緒だからたまには、みたいなこといってた…」
豊と蒼が付き合いだしてからは、気が向いたらみんなで食べる、という感じだった。
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