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「あ、あのっ、柚木花梨です。よろしくねっ、…えっと…大沢くん?」

「……」



こてん、と小首を傾げた花梨を、豊は一瞥した。しかしそれだけ。

返事がないことに悲しそうな顔を浮かべ花梨はしょんぼりと前を向き、それに対し拓が少し咎めるような目線を送ってきた。
とりあえず、イラッときたので椅子を蹴り上げておいたが。

そして、休み時間。



『なぁなぁ、花梨チャンって呼んでいいかっ!?』

『うっわー顔ちっせぇ!女の子みてぇっ』

『なんでここにきたんだ?前の学校はっ?』

「ひゃっ!?あ、あのっ、えっと」

『おおお可愛い反応っ』

『抱きてぇー!』



あっという間にクラスメートに囲まれ、外側からは姿の見えなくなった花梨。質問責めに合い、困っている声がチラリと聞こえてくる。

しかもこのクラスだけでなくもう噂が回っているのか、他のクラスからも野次馬がやってきては教室を覗いており、ちょっとした騒ぎになっていた。



「…チッ」

「ま、まぁまぁ初日だし、しし、仕方ないってぇ」

「ざけんじゃねぇ…ギャーギャーうっせぇんだよ余所でやれクソ共がっ」

『ひっ、お、大沢…』

『ご、ごめんな。そのっ』

「あ゙…?」


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あきゅろす。
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