5 「…あ、そういえばゆ、豊はさ、部活勧誘のこと考えてる…?」 「あ゙?」 「ひぃぃ出過ぎた真似でしたごめんなさぁぁいっ」 「たっくんビビりすぎだって。豊、そんなすぐ怒んないから…」 「だだ、だってぇ…今の怖かったんだもん…」 「もん、じゃねぇよキメェ」 若干引き気味の豊に拓は涙目になるも、誰も助けてくれる人はおらず。 むしろ朋也や幸作にケラケラと笑われ、拓はシュン、と小さく縮こまって落ち込んでしまった。そんな拓を元気づけるために蒼は拓お手製のお菓子を食べ、美味しいね!と笑顔で伝える。 「蒼ぉぉ…っ」 「ふふ、蒼くんはほんと優しいですねぇ。で、新入部員はどうするんですか?大沢」 「別に…気に入ったやつがいたら入れるが、人数的にゃ足りてるからな、勧誘活動はしねぇ」 「そっか、やるなら来年か」 「ああ、最低1人だな」 来年になれば朋也と経理がいなくなり4人になってしまうため、そのときにでも1人入れれば部活としては問題ない。 新しい人が入ればそれはそれで新鮮で楽しいだろうが、蒼自身あまり入れる必要も感じていないため、豊の意見をすんなりと受け入れた。 何より新しい人が入って豊を気に入られたら、それはそれで困る。 (みんなそれ知ってるから気ぃ楽なんだよなぁ) [*前へ][次へ#] [戻る] |