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「じゃ…乾杯」

「ってそれだけかよ!もっとこうさぁ、何に乾杯!とかねぇのっ!?」

「あ?じゃあ幸作がやれ」

「え゙えっ、…えっとー…あ!俺たちの出会い一周年にかんぱーい!」

「「乾杯っ!」」



ぐい、と一気飲みをし、それぞれが料理に箸をつけ、自由に食べ飲み交わす。経理のお弁当は驚くことにちゃんと美味しく、食べ盛りの男たちに蒼のおにぎりも大好評だ。

ただ、まぁ一つ問題があるとすればやはりお酒のことか。ノンアルコールと騙され一気に飲んでしまった経理の酔いが回るのは早く、ニヤニヤと次々ついでくる朋也のせいであっという間に酔っ払いが出来上がってしまった。

一々説教をしてくる、めんどくさいタイプだ。



「うぜぇ…」

「もートモ先輩がお酒なんて持ってくるから…いけないんですよ、未成年の飲酒は」

「堅いですねぇ蒼くん。無礼講ですよ、無礼講。蒼くんも飲みますか?」

「おれは…どうなるか分かんないですし、いいです」

「あっ、俺ちょっとだけ飲みたいッス!」



気分もあがり、幸作が名乗りをあげた。未成年だから…という考えもだが、蒼にとってお酒による身体変化は未知数だ。

ただ酔うだけならいい。しかし酔ったことで動悸が早まったり、また、アルコールと発作の薬を一緒にしていいのかも分からないのに吸入してしまうのは非常にマズい、というか、怖い。

オレンジジュースもコーラも美味しいのだ、これで十分。


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