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おかげで驚きすらなくなり、豊は終始つまらなそうな顔を、幸作は申し訳なさそうな顔をして進んでいくハメになった。経理は自分のいった通りお化けが出てくるため、どこか得意そうだ。



「俺…こんな気まずいお化け屋敷初めてだわ…」

「バカはほっとけ」

「バカ?バカとはなんだバカとは。僕は先ほどから全て当てているぞ!僕をバカにする前に大沢たちも当ててみたらどうだ」

「いやいや…こういうのは分かんないままにしてドキドキ楽しむのがいいんじゃないッスか」

「ふ…物事を分からないままにするなど、それこそバカのすることだろう」



やれやれ、と首を振る経理にこちらがやれやれ、だ。それからもペラペラと終始お化けの出そうなところを先に教えてくれたため、幸作たちは何ともつまらないお化け屋敷を体験するハメになってしまったのだ。







対して、蒼たちは。
僕がついてますよ、とわざとらしい朋也の励みにまるで逃がすまいと繋がれたそれぞれの手。こんな手を繋いであるくなど、豊が見ていたらそれこそブチギレもんだろうなと蒼は思う。

出来れば豊と入りたかった。2人きりが理想だが、そうじゃなくてもいいからとにかく豊との時間を多く増やしたかったのだ。けれど、現実はこれで。


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