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呆れつつも、己にピッタリだと反対するものはいない。その様子に満足げにしつつ、豊は蒼を振り返った。
「アオは」
「おれ?おれは…強引に誘われはしたけど、嫌々じゃないし。それに…」
「…それに?」
「部活、実はちょっと憧れてたから」
小さく小さくはにかみ、そういう蒼にみんな不思議そうにする。ずっと、部活に入りたい入ってみたいとは思っていた。けれどなかなか入る勇気もキッカケもなく中学3年間を過ごし、そして今。
強引な勧誘だったことは確かだ。けれど、誘われたとき、嬉しかったのだとても。
「クッ、上等。とりあえずは放課後集まって話するだけだ。サボんなよ」
「ほいほい」
「りょーかーい」
なんともまとまりのなさそうな人たちの集まりだ。が、これからしばらくはこの6人でやっていくことになる。
さぁ、総合部、活動開始だ。
◆
「いっやーしかし、蒼も同じ部活入ってたなぁんてな」
「あーおれもビックリした。入らなそうなのにたっくん…」
「まー何でもいっかなーって。ほら、部長が1年なら楽そうじゃん?」
「ああ確かに…」
蒼と拓、2人は同室ということで一緒に部屋まで帰ってきた。
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