乾かします
周りが俺たちを見てほんわかしてたことに気づかず俺は、雲雀が見てた書類を一緒に見た。
うー…うん…難しいぞ、これ。
──ペラッ
わ、もうめくった。読むの速いなぁ…。
みんなも一生懸命だし…俺なんか、ここにいちゃいけないんじゃ…。
──シュン…
「…?燕、どうした?」
あ、雲雀が気づいちゃったみたい。
前向いてるから平気かと思ったんだけどな。
「えっと…なんか俺だけ何もしてないっていうか…」
「ああ…課題とかあるのか?」
「ううん。…仕事、俺も手伝うよ」
鴇に助けを求めるくらいだもん。きっと凄く大変なんだ…。
「燕は気にしなくていいですよ。燕がそこにいてくれるだけで、雲雀の効率が上がりますからね」
「でもさ、兄貴」
「会長がいいといってるんだ。だから…」
「う…分かりましたー」
なんか雲雀にいわれるといいんだって思えちゃう。一体俺はどうしたのだろう…。
…あの後、みんなで夕食を食べてまた雲雀とお風呂に入った。でもまだ…といっても2回目なんだけど、雲雀は服を着たまま。
それで俺があがった後にちゃんと入るんだ。俺はその間に髪を乾かして待ってた。
「待たせたな」
「ううん。…あ、髪」
濡れたままだ。
これから乾かすのかな?
「髪?」
「俺…俺が乾かしてもいーい?」
「え…やってくれるのか?」
「うんっ」
昨日やってもらったし、人にいじられるのって凄い気持ちいいと思うんだ。それに俺はこれくらいしか出来ないからね。
えっと、それで…乾かそうと思ったんだけど…、
「この体勢?」
「嫌か?」
「ちょっとやりずらい…かなぁ…」
「適当でいい」
「ぅ…はーい」
俺は雲雀の足を跨いでソファーに膝をつき、髪を乾かし始めた。つまりは雲雀と向かい合ってるってこと。
整った顔がすぐそこにあって恥ずかし…い///
──ブオォォオー…
「…ん、髪…ちょっとゴワゴワ」
「そうか?まぁ染めたりしてるから」
「あ、ちょっ…動かないでっ!」
「はいはい」
さらさらってわけじゃないんだけど、でも触ってて気持ちいいかも。うまく指に絡みついてくるみたい。
「…明日、休みだろ」
「?、うん」
「買い物行こう」
「…え、買い物!?」
あと少しで髪が乾くというとき、雲雀にこういわれた。別に出かけるのが嫌なわけじゃないんだけど…。
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