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彼と過ごした日々。彼を愛した気持ち。
決して忘れないだろう。でも、それに捕らわれずこれからは生きていけたらいい。

胸を張って、堂々と。
途絶えるはずだった人生に出来た、新しい道を歩いていけたらいい。


そんなことを思いながら、奏は彼が死んでから初めて、心の底から泣き続けた…。







あの日は、泣き疲れて寝てしまった奏を病室へ連れて行き、すぐ帰った。それから3日。本当は次の日にでも会いにいきたかったのだが学園を抜けられず、3日経ってしまいようやく病院までくることが出来た。

その日は、奏のご両親に死ぬほど感謝された。どうやら目を覚ました奏が、今までごめんとちゃんと目を見て謝ってきたらしい。
あなたのおかげです、と泣きながら感謝された。


奏は、少しずつ笑みを見せるようになっていた。特にシキと戯れているときは本当に楽しそうで、少し妬いてしまうほどだ。
だが、日が経つにつれ、次第に奏の様子はおかしくなっていた。

おかしい、というか、智春が帰るとき、酷くツラそうな顔をするのだ。
これがただ寂しいと思ってくれているだけならよかったのだが、そうではない。
智春も薄々そのことに気づき始め、そして次同じことがあればちゃんと話しをしようと決心した。


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