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この生活スタイルは。いや性格、か。あっさり断られた男性は困り果てた顔をしながらも、仕方ないとリゾットを作り始めた。
そして、もうじき出来上がるというころ。
「由良くーん、そろそろあの子起こしてきてくれるかなー?」
「んー」
「頼むねー由良くん」
キッチンから声がかかる。
少年は気のない返事を返したものの、その場から動く気配はなかった。目を閉じきっていて、今にも寝てしまいそうだ。
男性は返事をしても動く気配のない少年に気づき、もう一度声をかけた。
「ゆーらーくーん?」
「父さんいってきたら…?」
「父さんにばっか頼らないの。ほらもうすぐ出来上がるから、早く」
「あー…」
のっそり。上体を起こし、しばらく座ったままボケーッとして、ようやく少年はソファーから立ち上がった。そのままのそのそと扉まで移動し、そしてそれを開けて驚いたように僅かに目を見開いた。
「……」
「……」
「…由良くん?どうした…ああ!起きてたんだね、よかった、中入りな」
「いかなくてもよかったんじゃん…父さんのばか」
「こーら。ほら、君もそんなとこ突っ立ってないで。あ、熱はどう?」
いつからいたのか。全く分からないが、あの青年が眉間にシワを寄せたまま廊下に突っ立っていたのだ。
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