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濡れた瞳がキラキラと揺れ、微笑んだ表情に一瞬だが見とれた。けれど眠気には勝てずにそのまま寝てしまった少年に、青年は眉間にシワを寄せた。

しかし、なぜか得てしまうこの安心感。青年は少年の腕をどかし、幸せそうに眠る顔を一時見つめてから、自然と落ちてきた瞼と意識に逆らうことなくまた深い眠りへと入っていった…。







ソファーに寝転がり、その下に背中を向けて座るわんこを気が向いたときだけ手を動かして撫でる。動物とコミュニケーションをとるときだけは、少年のやる気のなさも少しは改善されているらしい。



「…さて、と。由良くんお昼何がいい?」

「んー…」

「んー、じゃなくて」

「食べなくていい」

「それはダメ。…そうだな、あの子も食べれるようなものがいいよな…」



エプロンをつけながらメニューを考える男性。あの子、とはもちろん怪我をした青年のこと。熱が下がったかどうかも分からないし、内臓を怪我している可能性もある。

さて、何にしようか。
お粥…は味気ない。ならば…。



「由良くん、たまには一緒に作ろうか」

「おれしない」

「そういわずに。あの子のためだし、由良くん動かなすぎてそのうち太るよ?」

「いいよ別に。太っても今のままでも変わらないし」


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あきゅろす。
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