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恐らく途中で倒れ、この少年の家に拾われたか何かしたのだろう。青年はそう考えてから自分の体を見た。包帯だらけ。おまけに熱く、熱はまだ下がっていないようだ。

そのときふと見回した部屋の中に、あるものを見つけて青年は警戒しつつそこへ近寄り、薄暗い中確認した。


【怪我は大丈夫かな?
 夜に起きて熱があるようならこの薬を飲んでね。汗をかいてたらこの服に着替えるように】


そんなことが書かれたメモと、水、そして薬と服。この少年が用意したものなのか。怪しい、怪しすぎる。
見ず知らずの、しかも不良を家にあげて親切にしてくれるなんて…。



「ん…」

「…っ」

「…にゃ、あ…」

『んなぁ』

「…は…ね、こ…」



寝言で、にゃあ、なんて。それに応える猫も猫だ。警戒することすらバカらしく思えてきた青年は、クラクラする頭に仕方なく用意されていた薬を飲んだ。

そして、その部屋に1つしかない、なぜか少年も寝ている布団へ戻る。すると、その青年の動きで目が覚めてしまったのか、うっすらと目を開けて青年の髪をぽむぽむと撫でてきたではないか。

驚いて、思わず固まっていると。



「…わんわん、ねんね」

「あ゙?…犬、じゃなっ」

「いた…の、いた…んで…」


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