野良犬?飼い犬?
――…暑い。
火照るような熱さを感じた青年は、深いところから意識を浮上させ、目を覚ました。
見覚えのない天井。
ボンヤリとした頭で、一体ここはどこかと考える。…と、
「…ん゙…」
「っ、…誰、だ!」
「んぅー…」
「…だ、誰だ…?」
己の横で人の気配を感じ、青年は素早く体を起こして距離をとった。けれどそこにいたのは、全く無害そうな寝顔をした少年…と、少年のお腹あたりに丸くなって眠る猫。
青年は、本気でわけが分からないと首を傾げた。一つずつ、思い出していこう。
ここ最近冷え込みが酷く、それでも夜、外へ出歩いていた青年は今朝になって風邪を引いてしまったのだ。
ダルく、まぁ一日中寝て過ごすのもいいかと思っていたのだが、夕方になり、飲み物やら冷たいアイスが欲しくなって。
近くのコンビニへ、と思い外へ出たが運の尽き、今まで伸してきた不良共が獲物を持って束になってかかってきたのだ。いつもなら1人で10人、いやもう少しは相手出来るのだが、今日は体がふらふらで、意識もハッキリしていなくて。
…苦戦した。
そして、たくさん怪我をして、次がくる前にとその場から逃げて…。
(おぼ、えてない)
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