16 これもいつものこと。 秀和は気にする様子もなくあとをついていき、何やら騒がしい校門に眉間にシワを寄せた。 「なんだ何だ、騒がしいな」 「自転車いらないの…?」 「あー…ちょっとここで待ってろよ。1人でいくのあぶねぇかもだから」 「はいはい」 秀和は自転車通学。由良を残して一旦自転車をとりにいく秀和を見送り、由良はボーっとそこに突っ立ったまま待つことにした。騒ぎの方を見ていると、何やらみんな怯えている様子。 中には裏口へ回る生徒もいるが、あいにく由良に遠回りするほどの気力はない。すぐにやってきた秀和の自転車のカゴにカバンを突っ込み、2人でその騒ぎのもとへ近づいていく。 「なあ!何があったんだ?」 『宮本!それが…校門にあのレッドデビルがいんだよ』 「え、レッドデビルって…」 『だから怖くて通れねーの。俺も裏から帰っかなぁ』 じゃーな、そういって本当に裏口へ向かっていく友人に手を振りつつ、秀和は由良をチラリと見下ろした。今朝の話しからすると、もしかして由良を迎えにきたんじゃないだろうか。いやしかし、あの悪魔が? 「なぁゆ「あ、銀だ」…っ、やっぱり…!」 「由良、!」 「遠くからでもよく分かる」 「由良、俺、待ってた」 [*前へ][次へ#] [戻る] |