[通常モード] [URL送信]
16
これもいつものこと。
秀和は気にする様子もなくあとをついていき、何やら騒がしい校門に眉間にシワを寄せた。



「なんだ何だ、騒がしいな」

「自転車いらないの…?」

「あー…ちょっとここで待ってろよ。1人でいくのあぶねぇかもだから」

「はいはい」



秀和は自転車通学。由良を残して一旦自転車をとりにいく秀和を見送り、由良はボーっとそこに突っ立ったまま待つことにした。騒ぎの方を見ていると、何やらみんな怯えている様子。

中には裏口へ回る生徒もいるが、あいにく由良に遠回りするほどの気力はない。すぐにやってきた秀和の自転車のカゴにカバンを突っ込み、2人でその騒ぎのもとへ近づいていく。



「なあ!何があったんだ?」

『宮本!それが…校門にあのレッドデビルがいんだよ』

「え、レッドデビルって…」

『だから怖くて通れねーの。俺も裏から帰っかなぁ』



じゃーな、そういって本当に裏口へ向かっていく友人に手を振りつつ、秀和は由良をチラリと見下ろした。今朝の話しからすると、もしかして由良を迎えにきたんじゃないだろうか。いやしかし、あの悪魔が?



「なぁゆ「あ、銀だ」…っ、やっぱり…!」

「由良、!」

「遠くからでもよく分かる」

「由良、俺、待ってた」


[*前へ][次へ#]

57/168ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!