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「今日さ、…由良1人できたのか?」
「んー…銀と」
「銀、…って、あー…赤い髪の、背がデケェやつ、とか?」
「そんな感じ」
「マジで…いやなんで!?なんであの人と一緒に登校してんだよっ」
話は、本当だった。
秀和は目を見開き、んなまさかと焦りだす。あの、レッドデビルと一緒にいたなんて…。
レッドデビル。
髪と、返り血で真っ赤に染まった姿からついた通り名は、一匹狼でここら一帯の中でも最強と呼ばれる不良、染谷銀についた名だ。本人はこれを嫌がっているため、無闇に呼ぶと殴られる。そしてまた、悪魔だと恐れられているのだが、銀はそのことに気づいていない。
とにかく凶暴で、威圧感もあり、目を合わせただけでヤられるといわれているレッドデビルと…一緒に登校。しかも、姫抱きで。
「レッドデビルのこと知ってて一緒にいたのか?知らないならやめとけ、いつか殺されるぞ」
「?、銀、おれの犬だから悪魔じゃないし」
「あの人を犬扱い…!一体どうしたんだ由良、無気力なはずのお前がレッドデビルと知り合うなんて…」
「拾っただけ」
「余計意味分かんねぇ!」
もっと詳しく!と説明を求む秀和だが、由良の気力はもはやゼロに近い。若干うるさいな、と思いつつも、どうせそれを指摘してもよりうるさくなるだけだと諦めながら、由良は大きな欠伸を漏らした。
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