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事実を知りたい。けど、由良が答えてくれるのか不安なとこがあるし、聞いたことによってあの不良に話が伝わり、目をつけられるのも怖い。
お前がいけよ、となすりつけあっている…と。
「ちーっす!ひっさしぶりー」
『『み、宮本…!!』』
「お、おう?何だよお前ら…こえー、近寄んな」
『んなこといわずに聞いてくれ宮本!実は赤飼のことなんだけど…』
「まーた来てねぇのか?…っているじゃん。何だよ一体」
そのクラスに入ってきた黒髪短髪の青年に、クラスメートは神の助けか、というように青年に駆け寄った。その様子に若干引きつつも、由良のことだといわれてクラスを見回し、首を傾げる。
いつも通りきていて、ダラーとしている由良。何も変わったとこはないが…。
『それがっ、あいつどうやって学校まできたと思うよ!?』
「どうって…歩いてだろ?あ、おじさんに送ってもらったとか」
『ちげーよ!…聞いて驚くなよ…赤飼のやつ、あのレッドデビルに横抱きにされて登校してきたんだよっ』
「…え…いや、まっさかぁ」
『ほんとよ!私も見たのっ。睨まれちゃって、怖かったぁ…っ』
何でだろ、脅されてるのかな、やべーよ。と口々にするクラスメートに、青年は信じられないといった顔をした。
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