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また。
実は、この無気力な少年が唯一自分から動く瞬間がある。それが、捨てられた動物を見つけたとき。

でも拾うだけで面倒は見ない。おかげで、今この家には犬が5匹と猫が5匹、うさぎ1羽のインコ2羽が家族として迎え入れられ、全て男性が面倒を見ているのだ。

さすがにこれ以上は無理だよ、といっていたはずなのに…。



「外って、そんな大きい犬なのか?」

「怪我してた」

「…はぁ…見てくるから。少し待ってなさい」



溜め息をついて、部屋を出て行く男性。結局は、この少年に甘いのだ…が。



「ゆ、由良何だいあれは人じゃないか!」

「犬」

「違うだろ!どこから拾ってきた、返してきなさいっ」

「帰ってきたら、あそこにいた。おれ、もう拾った」

「あのなぁ…、…しょうがない。中に運ぶの手伝ってくれる?」



怪我をしてる人を放置しておくのも後味が悪い。何を思って犬といい、拾ったと断言するのかは理解不能だが、ひとまず中に入れるために少年の力も借りようとした。

しかし。



「おれいったとこで持ち上がんないと思うからやだ」

「やる前から諦めない」

「むり。父さんファイトー」

「父さん1人でも難しいんだってば…」


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あきゅろす。
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