33
「由良くん学校の準備した?」
「あー…えー?」
「えー?じゃないでしょ。明日から学校だよ」
「んー」
銀の上に由良が座って、その上にラッキーが座って。そんな彼らに声をかけたパパは、いつも以上にやる気のなさが伝わってくる返事に溜め息をついた。もう毎回のことだから特に焦りもしないが、"また" 不登校になるんじゃないかと少し不安もある。
「…由良、がっこ?」
「3年生」
「いくな。…俺と、一緒、いろ」
「…父さんおれ「ダメです」…けち」
後ろからギューッと抱き締めて甘えてくる銀に甘えようとしたが、速攻却下された。由良はさらにやる気をなくし、ずるずると体を倒して銀の膝に頭を乗せた。ドキリ、と密かに銀の心臓が飛び跳ねる。
「そういえば…銀くんも、学校は?」
「…知らね、え」
「知らないって、どこ通ってるの?」
「第一にいたっけ…?」
うむむ、と思い出そうとするも、一瞬でやめた由良は手でチチチと猫を呼ぶ。しかし、諦めて正解だ。銀は市立第一の生徒ではないのだから。
由良の呼びかけに寄ってきた3匹の猫に若干驚きつつ、銀は由良の髪を撫でながら嫌そうに答えた。
「…宝寿、2年」
「え、あの宝寿学園!?」
「わー銀年下だー」
「由良、…先、輩」
「あはははは」
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