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「…き、だ、由良が好きだ。俺は由良の犬、だけど…由良が好きだ」
「…ファーストキス…」
「!、…わ、わりぃ…ごめんな、さい」
一瞬、嬉しそうな顔をした銀だったが、嫌われたくない、捨てられたくないと何回も謝った。見た目がいかにもな不良様なために、どうにも由良に対する態度は違和感がある。しかし、由良も由良だ。そんな銀がどうにも可愛らしいわんこにしか見えないらしく、ちょいちょい、と銀を側まで呼び寄せた。
殴られる覚悟を持ち、銀が近づくと…、
――なでなで
「…!?」
「おれも銀好き。いーこいーこ」
「由良…っ」
「でもいきなりちゅーはだめ。おれ死ぬ」
「わ、かった」
いきなりじゃなきゃOK、と、言葉の揚げ足をとって頭に叩き込んだとは由良はつゆ知らず。そのままパタリとベッドへ倒れ込んだ。ちらり、と覗くわき腹にはやはり綺麗な真っ赤なアトがついていて、銀は瞳の奥をほんのりとギラつかせた。
しかし、由良が無気力とはいえ、本当に嫌だったら何かしらの抵抗はするだろう。どうでもいい、早く終われと思っていても、嫌なものは嫌なのだから。それを口に出すことぐらいはするはず。行動に起こさない分、口や顔が示すのだ。
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